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作家について

高橋弘子
Hiroko Takahashi

1977年 秋田県に生まれる。生後ほどなく移住し、札幌で育つ

1999年 札幌市立高等専門学校 インダストリアルデザイン学科卒業

2013年 本格的に作品の発表を始め、札幌を拠点に活動中

制作のはじまり

子どもの頃から絵を描くのが好きでした。一人でいても、紙と鉛筆さえあれば退屈しない子どもだったように思います。当時は、漫画やアニメのキャラクターを描くことが中心でした。美術部などに所属したことはありませんが、中学校時代の美術の先生がクロッキーに熱心だったことは、今も印象に残っています。

その後、札幌市立高等専門学校インダストリアルデザイン学科へ進学。デッサンや塑像、デジタル技術などの基礎を学びつつ、専門では工業デザインを専攻しました。卒業後はデザイン会社には就職せず、絵もしばらくは趣味の範囲にとどまっていました。

転機は2012年。バスの待ち時間にたまたま画廊喫茶チャオに立ち寄ったことがきっかけで、グループ展への参加を始めました。初めての展示は、2013年5月の『MIXED MEDIA展』(画廊喫茶チャオ・札幌)です。あの時、何気なくその店の扉を開けていなければ、今の私はなかったかもしれません。

「ギャラリーは意外と身近にあり、さまざまな作家がそこで発表していること」や、「公募展やアートフェアといった場があること」も、活動の中で次第に知るようになりました。「次はこれに挑戦してみよう」と思うことを一つずつ積み重ねながら、多くの方に支えられて、今も制作を続けています。

2025年現在、絵を描くにあたっては、「“次はこれを描きなさいね”という命題は常に与えられる」「絵というものは鑑賞者が持つものを引き出す装置であり、画家はその装置である絵を出力する装置である」という感覚があります。それぞれの装置としての力を育てるような制作を、これからも続けていきたいと思います。
 

「縁」について

このウェブショップを旧来のウェブサイトと区別するにあたり、名前をつけようと思いました。「縁」は物事のつながり、人と人とのつながりを示す言葉。ここが、皆さんと、私の作品とが繋がる場所となればと願っています。

狼を描く

2013年に制作活動を始めた頃に「なんとなく狼が描きたい」と思ったことをきっかけに、それ以来、作品の命題に沿う限り、私は狼を描いてきました。動物は昔から好きで犬を飼っていたこともありますが、狼と特別な関わりがあったわけではありません。「狼とはどんな動物か」「人間とどう関わってきたか」などを後から調べながら描いているというのが実際のところです。

狼は、群れを大切にし、強い社会性を持つ動物です。その特性から、私の作品においては、人間の象徴として登場することもあります。また、2022年頃からは、「かつて信仰の対象でもあったが、今の日本では絶滅してしまった存在としての狼」に関心を持つようになりました。もし私たちの前に再び狼が現れたら、私たちは狼に畏敬の念を抱けるだろうか。新たな信仰を築けるだろうか。そんな問いを、作品を通して描いています。

日本では、かつて自然現象や動植物などに対して、強い信仰心が抱かれてきました。鉄筋コンクリートやアスファルトに囲まれて育った私には、そうした古代の感性はどこか遠く感じられます。そして、私の育った環境には日本古来の信仰や習俗が色濃く残っていたわけでもありません。それでも、現代に生きる私や私たちの中にも、古代の人々と共鳴する感覚があるのだろうか。そんな問いにも関心を持っています。

人間とはどんな存在か。日本人とは何者か。そして私は、どんな日本人なのか。私が描こうとしているのは、いつも「人間の姿」です。にもかかわらず、多くの作品では、それを「狼」で表しています。なぜ私は狼を描いているのでしょう。狼が人間にとって特別な存在だからでしょうか。それとも、私が住む北海道という土地が、かつて狼が絶滅させられたという歴史に関わるからでしょうか。

「なぜ狼なのか?」ということの最終的な答えを私はまだ得ていません。いつかはその答えに辿り着くかも知れませんが、今それを知らないということを恐れてもいません。もしかすると、私が狼たちを絵に表すことによって狼をあらゆるところへ連れてゆけるのかも知れませんし、狼が私をどこかへ連れて行こうとしているのかも知れません。
 

作品とその世界

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